うどん Feed

2008年6月 9日 (月)

実録:列車と歩きでうどんツアー'08(その7:疲れた体にかえしうどん)

ほとんど忘れるところでしたが、前回の続きです。もう1回、ちょっとだけなのでやっときましょう。

Cdkk7kpb もうだいぶ前に書いた気がする坪尻駅再訪から阿波池田まで出て、高松駅から最終の高速バスに乗る前に便利の良いところでもう1軒、ということで、坂出で降りて、前から気になっていた、「かえしうどん」の「家康」を目指します。

坂出駅の北出口を出て、そのまま北へ向かいます。旧11号線に達する少し手前で東へ。ちょっと歩くと「市役所前」の交差点が見えます。まさしくこの辺りは坂出の官庁エリアですね。昼の需要がかなり多そうな店、という印象がありますが、確かに夕方にやって来ると、わざわざこっちへ入っていく人自体まばらです。

5imvuyaj 店はその交差点から50mほどのところ。こういう感じの一般的たたずまいですが、注文はカウンターに言って、うどんを出してもらって、オプションを適宜取る、要するにセルフの店です。

製麺所タイプの店ではなく、町中の店ですが完全手打ちです。ちなみに私が入ったときは先客は1人だけ。夜は8時までやってるようですが、基本的には昼モードですね。

Goxtzv7c 店内、これだけのメニューが並んでいますが、この店と言えば、何と言っても注目したいのが「かえしうどん」。醤油やだしを専用のだし壷で半年以上寝かせ、熟成したものを白だしで多少伸ばしてぶっかけのつゆのように使うものです。

ちなみにここでは、うどんの他のオプションを3品取れば、セットで安くなります。まあだいぶ歩いたのであれだけ食べてもそれなりにお腹は空いてきていましたので、かえしうどんの大に軽めのオプションをつけていきます。

Btiptpmu 出てきたうどんは、見た目ぶっかけなんですが、だしは麺にひたひた、と言う感じでけっこう多め。それに見た目かなり濃い色なので、どんな味やねん、と予備知識はあっても若干不安になるのですが、食べてみるとちょっと甘めでだしの風味が結構強く、濃いという事はないのですがかなり個性的、しかしこういうものと思えば悪くはありません。麺は若干ぬるめで柔らかめ。やや浅めのコシですが、だしとの絡みという面では却ってそれも良いのかも知れません。

意外にきつくない味。しかし多少甘め、というところが、好みの分かれるかも知れないところでしょう。


これで今回のツアーは終了。20数キロ歩いてかなり痛む足を引きずって高松駅から夜のバスで3時間、ほぼ熟睡させていただきました。このパターンは、フェリー日帰りうどんツアーに結構使えそうです。何しろ最終のフェリーではすんなり大阪に出られるかどうか微妙なタイミングですので。

さて次回は... また考えます。


(この項終わり)






2008年6月 1日 (日)

実録:列車と歩きでうどんツアー'08(その6:「うどんや」といううどん屋)

前回のエントリで坂出駅近くに昼前。電車で琴平駅に回り込んだのが12時半。そして以前のエントリで坪尻駅に向かったのが13時過ぎ。さて、琴平駅での約40分間、どうしましょうかね。

Si_wdted 琴平駅周辺というのは、良いうどん屋がありそうであんまりないものです。それでも一昨年のエントリで書いた「こんぴらうどん」の工場店か、その手前にある将八の琴平店か、あるいは駅から南へずーっと出て広いとおりの線路近くにある「おがわうどん」で細切りざるといくか、と選択肢がある中を、今回目指したのはそのどれでもなくて、しかもそこを目指していないとまずたどり着けそうにない店です。

Yxsvism4 それにしても琴平駅の駅舎というのは、この場所にして洋風建築、しかしどことなく「こんぴらさん」の雰囲気は保っている。築70年以上という歴史が、この駅舎に重みを加えているのかも知れませんが。

そしてやはり戦前の建築物だけあって、いろいろと意匠も凝っています。そして駅の内外、あっちこっちにツバメの巣が。春の時期においでの方は、頭上に注意されますよう。

Y6yn_qzt さて、琴平駅を出て正面ではなく、南側に伸びている道を琴平小学校方向へ歩きます。駅前の通りとは思えない、昼時でも閑散とした道を行き、病院の前を通り抜け、信号を右に曲がります。すると見えてくるのが、「こんぴらレトロ街道」と書かれたアーケード。ここを真っ直ぐ突き抜ければ、こんぴらさんの表参道へと続いているのですが、ここで目指しているのはそっちではなくてもっと手前、と言うか、このアーケードですらありません。

Ix53bbtp 一つ上の写真ではよくわからないかも知れませんが、アーケードに入る直前の左側に、こんな感じの、恐らく車は入れないんではないかと思われる路地のような道があります。目指す場所はここの入口から奥へ約50m。←この写真でも、よ〜く見れば真ん中の奥に「うどん」ののぼりが見えるのですが... 実際に行けば確かにわかります。しかし普通に何も気にしないで歩いていてはまず目に入ることはないでしょうし、目に入ってもそこに行くという目的がない人ならわざわざ入って行かないのではないかと思われます。

5nhdg5z6 店の前まで来てみると、普通の店です。しかものれんも看板も「うどんや」。小さい字で「井上」と書いてはありますが、どうやらうどん通の間でも「うどんや」の名で知られている店のようです。

店の中は5人ほどのカウンターとテーブルが2つというところ。私が入ったのは1時前でもうピークを過ぎていましたが、中には「ここへ食べに来た」という感じの2人連れと、いかにも常連っぽいおじさんが1人。おばちゃんが1人で対応していました。

_ik4gisx さすがに5軒目、それにこのあとまただいぶ歩く、ということもあって、「ぶっかけ」の大ではなく中を(それでも中かいな)いただきます。

さすがに茹で上がりの若干作り置き感がある麺ではありましたが、それはまあこういう店にこの時間帯に来る私の責任でありまして、しかしそんな中でも、麺の持つ優しさと程良い中腰はある程度伝わってきます。これが茹でたて締めたてであれば、一層滑らかな喉越しが感じられたはずで、そんなに知られていない店でありながら、琴平の小さな良心、という感じの「うどんや」でありました。

で、ここから坪尻→池田と回って、夕方さらにもう1軒です。


(もう1回つづく)





2008年5月26日 (月)

実録:列車と歩きでうどんツアー'08(その5:ネギは束になってやってくる)

前回のエントリでは、強い日差しの中を「たむら」まで歩き、高松築港まで電車で爆睡、というところまで進みました。この時点で10:40頃。

7thcgbvv さて本日のお昼のメインへと向かいます。さぬきのうどん屋で、営業時間が最も短いと言われている店です。

例えば前々回にご紹介した大平製麺とかは、食べられる時間帯が日によっては30分間とかいうこともありそうですが、それは純製麺所がちょとついでにやっているわけで、食堂営業をしているわけではないから除外するとして、あの谷川米穀店でも11時前から2時間ほどは営業している中で、なんと営業時間が11:30〜12:30の1時間だけ、という場所があります。それが日の出製麺所。名前は製麺所ですがここははっきりと食堂営業をやっていて、それでいてこの時間帯のみ。そこに集中です。坂出駅到着が11:20。おお、もう始まるぞ、と駅を出て西に向かいます。

Eqrqar4w 500mほど高架の南側を歩くと県道19号線。道路の拡幅中でちょっとややこしいですが、ここを南下します。しばらく行くと「富士見町」というバス停(「富士見」と言っても多分「讃岐富士」のことだと思われ)。その先の信号を渡るともう店です。駅からは10分少々。有名うどん屋としてはかなり便利な部類に入ります。

Uy7esmzf 店は通りに面して、こういう感じですので誰でもわかります。着いた時点で既に店内にはかなりの人。店先にも10人余りの行列です。時間が限られているだけにお客さんも集中しているようです。時折見える中の様子はそんなに広くなさそう。長テーブルをシェアするいかにも製麺所的内部のようです。しばらくするとおねいさんが人数と注文を聞きに回ってきます。かなり人が多いのでテキパキと行きましょう。

75h0vwcd 中に入ると席数はけっこうありますが、結構早くにうどんは出てきます。例によって冷たいのをいただきます。必要なものはテーブルの上にありまして、しょうが、ネギ(後述)を適宜かけ、さらっとだし醤油をかけます。

恐らく機械がかなり入っていると思われるやや細めの麺ですが、すっきりした外見と同様、食べた感触も非常に滑らかで、こういう言い方が適切かどうかはともかくとして、万人向け、どなたにもお奨めできる口当たりと程良いコシです。先があるので2玉で抑えましたが、ここだけなら何玉でも食べられそうです。

Ssfa4kdj さて、ネギをハサミで切ると言えばこの日スルーした「赤坂」が有名なのですが、この「日の出」でも、ネギはハサミで切るようになっています。ここの場合、混んだ席で効率的にやるために、という要因が強いのではないかと思いますが、数本のネギを束にしてラップでくるんでありまして、食べる人がそれぞれラップをちょっとずつめくって、置いてあるハサミで切っていくという形になっています。その向こうにはちくわ天(1本50円)も見えていますね。これも食べたかったら適当に取って自己申告です。


食べ終わったら丼はそのままで良くて、会計はカウンターで。持ち帰り用の麺が各種揃っていますので、食べた分だけ支払って、というのはちょっと根性がいるかも知れません。私も、手作り生麺である「究極のさぬきうどん」を持ち帰りで。これは持ち帰り麺としては非常に高いクオリティです。


(あと2回続きます)





2008年5月25日 (日)

実録:列車と歩きでうどんツアー'08(その4:たむら、男の麺)

前回、善通寺の「山下の近く」でしばしまったりしたわけですが、その次に目指すのは久しぶりの「たむら」。実際、前は何度か通っていましたが、食べに行くのは相当に久しぶりです。


ここに行くのは、昼前に坂出に出るためのルート設定でちょうど良いパターンになるから、ということだったのですが、問題は、「そこへどうやって出るか」ということでありまして。

Tmga9t62 もと来た道を2km余り善通寺駅まで戻るというのは電車の乗り換えパターンもあってちょっと非効率。南の榎井まで歩くとなると4km以上あって時間かかりすぎ。しかしそこに、救いの交通機関がありました。

コミュニティバスってやつです。

市町村合併にはろくな事がないと思っていたらたまには有り難いこともありまして、丸亀市の区域がうんと広がって、コミュニティバスが旧綾歌町にもズズズンと乗り入れてくれています。

Pia2xy6q こういうバスの運転パターンは、「朝・昼・夕方」。朝の便がちょうど上手い具合に「大平製麺」から北へ歩いて10分足らずの上三条交差点から東に折れて走ってくれるというわけで、しかも来るのが8時ちょい過ぎ。まさに私のうどんツアーのためにあるようなダイヤです。

やって来たのは小型の乗り合いバス。乗客は私を含めて3、4人。琴参バスなどがどんどん路線縮小していくのもわかる状況で、こうして住民サービスで運用しているからこそ維持されている路線でしょう。完全になくすわけにもいかないでしょうね。いやほんと、こういう時には有り難いんですけど。

Izym6lcg そうこうするうちにあの「レオマワールド」最寄りの岡田駅に。電車は30分に1本。4駅で陶に到着です。

ここを1時間後の電車に乗って高松に戻っていくパターンで、目指す「たむら」はここから北へ2km弱。行って、食べて、戻って、できたら「赤坂」もちょっと覗いて、という流れを想定していたのですが、この日は結構暑くて、まだ9時過ぎなのに随分日差しがきつい。まだ夏仕様で歩いている訳ではなかったので少々しんどそうです。

W6apbdmk さて、陶の駅を出て右、旧32号側に出て、赤坂前を過ぎ、旧陶病院跡を過ぎ、三叉路を左にとってJA前を通過。32号線バイパスが見えてきますがここはそのまま渡り、あとはひたすら直進です。この近辺にも、綾川町のコミュニティバスの路線がある(ルートは結構ややこしそう)のですが、ちょっとタイミングが合いませんでした。

Hei6cdyw 余り日陰のない道を、府中湖方面へゆるやかに上っていきます。迷う可能性はまずありませんが、場所を知らなければどこまで歩いたらあるんや、という感じのしそうなあたり、←こういう交差点が見えてきたら正解です。小さな峠の頂上、といった場所に、「たむら」のパトライトが回っています。

さすがに今回のツアーでは最大の有名店。開店間もない時間帯ですが、店の周囲には県外ナンバーの車が結構停まっています。

K0nc0d1p 店内は10人近くの行列。まあそんなに多いと言うほどではありませんが。

ここのシステムは、奥の土間の製麺スペースに向けて列を作り、自分の盤が来たら大小冷温を告げ、麺をもらったらだしまたは醤油、薬味を適宜かけ、食べたければ天ぷらもとって飲食スペース(手前側と左奥側にある)に行き、食べたら再び土間に入ってだしを捨てて丼をバケツに戻してお金を払う、この流れをサクサクっと行う必要があります。それにしても、大の男が何人も続いて「小」「小」と連発するのには何だかなあ、と思いつつ、私は当然ながら「大」に小さい三度豆の天ぷらを載っけて(350円)、醤油でいただきます。

Kmwxh1og 久しぶりの「たむら」の麺は、やや太めのがっちりしたエッジ、コシもかみしめもたっぷりとあるやや堅めの麺です。大となると結構量も多くて、やはりこれはいかにも「男性仕様」であります。

さぬきうどんにも地域ごと、もちろん店ごとにいろいろと個性があるのですが、ここの麺は典型的な「おっちゃんの打つ麺」というところでしょう。パワーと弾力はまさにここならではです。

おー、しっかり食うたぞい、という感じで店を出たら、並んだ時間もあって結構次の電車まで時間が厳しい。やや磯決めで歩きましたが、何だかここへ来て、歩く速度が段々遅くなっているぞ、と痛感しつつ、何とか琴電に間に合わせます。赤坂はスルー。

汗が引いた岡本あたりで意識がなくなり、久しぶりに「お客さん、着きましたよ」コールを受けて高松築港には11時前。そのままJRで坂出に向かいます。


(さらに続きます)






2008年5月19日 (月)

実録:列車と歩きでうどんツアー'08(その3:続・幻の製麺所)

前回のエントリでは、7時前から7時半過ぎまで製麺所を求めてさまよい歩く状態で終わってしまいましたが、今回は、やっと美しい麺が私の目の前に現れてくれました。

Nnuggqvt 与北を過ぎて間もなくの小さな交差点を左折して少し歩くと、←このような灯籠が目に入ります。これが大平製麺の目印です。

この向かいに目的地があるのですが、それでも安心するのはまだ早い。ここからが難関なのでありまして。

33eb8pxq サッと振り返って道の東側を見ると、このような感じになっています。もうこのあたりに当たり前にあるような民家です。当然ながら「うどん」ののぼりもその他製麺をしていることを示すような表示もありません。ここを朝も早よから、どこから見ても近所に人間ではない人が一人で入っていくのも、回りから見れば変な感じだろうと思います。

それでも美味いうどんにたどり着くため、ずんずんと玄関へと突き進みます。

H2x_yma4 先ほどの入口を左側へ回り込むと、

←まさしく民家です。

これだけ見てもうどんを示す何もない。しかし知っている人なら、

「お、これはやってる」

とわかるのであります。そう、玄関の引き戸が開いていたら、製麺している可能性が高い(それでも100%ではないらしいが)ということです。

E0czdkhd 初心者には特に勇気がいるのではないかと思いますが、製麺所にはこのいかにも民家の玄関を入り、土間を突っ切ってさらに奥へと進入する必要があります。そこで初めて、作業をしているおばちゃんに出会えます。私もこれまでの経験上、入るのに相当勇気のいる製麺所系に行ったことは何度かありますが、ここは、今はなき海岸寺駅前の「三谷」をも超える凄さです。

「あ、食べられますか?」

「えーっと、お一人やね。」

「そうですけど」

「いや、今日は注文が少なかったからもう釜の火も落としてしもたし、そないぎょうさんはないんで」

良かった。ともかく茹でてそんなに経っていない麺が食べられる。

製麺所の奥から、丼と箸、醤油にショウガと持ってきていただき、即席のテーブルをしつらえてもらっていただきます。

「ちょっと多めにしときました。遠くから来ていただいたみたいやし」

って、もうホントに申し訳ない。

R5cmaqi1 何よりも驚かされるのは麺のツヤと美しさ。やや細めでストレートですが、見た目も舌触りも喉越しも、どこにもきついところがなく、柔らかい中にもしっかりしたコシがあり、そしておばちゃんの優しさも感じられるような麺。個性的、ということではなく、昔はどこにもあったが今はどこにもない麺、というところでしょうか。

今ではこの辺りも卸先のお店がどんどんなくなってしまい、法事とかでまとまった注文があるとき以外は随分と作る量もすくなくなったそうです。「もういつやめよか、と思うんやけど」と仰ってましたが、この麺は貴重です。また癒されに行きたい製麺所。でも大勢で行くのはちょっと無理ですよ。

なお、最近ちょっとだけ値上げしたそうですが、それでも1玉60円。もうホントにこっちが申し訳ないです。


(さらに続きます)





2008年5月17日 (土)

実録:列車と歩きでうどんツアー'08(その2:幻の製麺所)

前回から続きます。

Vsghv3kt 丸亀の卸売市場を出て、宇多津駅に戻り、ギリギリで乗り込んだ電車で次は善通寺へと向かいます。

今回の第二の目的は、善通寺にある2件の製麺所を一気に回るというもの。どちらも最近まで「マイどんぶり」持参でないと食べられない所だったようなのですが、現在は先方で容易があるということでその点は多少気楽です。しかし純製麺所は、一応の営業日、営業時間があっても、卸の注文が入っていないとそもそも食べるうどんがない、という事になってしまうので一種のギャンブルでもあります。

Xsfjvgvu 善通寺駅に6:49着。高校生中心に結構乗客もいるものです。

まず向かうのは大川製麺所。こちらは「ベビーセンター」という洋品雑貨店の横に製麺スペースがあるという不思議な環境で一部コアな麺好きには知られている店です。一応7:00からやってるらしい、ということで、駅に近いこちらを攻めてから、もう一軒、幻の大平製麺所を目指すという段取りであります。

というわけで、駅の北側、踏切に通じている通りを西へ。上吉田町3丁目を目指します。

A6d7nz_6 上の写真のような、まばらに店舗の並ぶ商店街には朝7時では人通りもほとんどなく、こんな状況で何かの営業をしていること自体がナンセンスではないかと思えるほどの直線路を10分弱歩くと、ようやく見えてきました「大川製麺所」。今では純製麺だけではなくて、その横に食事スペースも設けられているはず、が...

シャッター閉まってる。

製麺所側のシャッターは開いているので、これから開ける所なのか、と思ってそちらを覗いてみたら、おっちゃんが奥から出てきました。

「えーっと、食べられ...ませんか?」

「うーん、今日は卸の注文があんまり入っとらんかったからのお、まあ7時半過ぎぐらいにはできると思うんやけど。」

「はあ...じゃまた回ってきます。」

ないものは仕方ないです。ここで30分待ってるともう一軒は恐らくアウトになるので、ここはルート一巡して再訪できるわずかなチャンスに賭けて、そのまま引き返します(でも結局戻って来られなかった。また次回ですね)。

K3vkpgjt さてもう一軒の製麺所は、これぞ超穴場、どこから見ても民家、製麺したうどんをそこで食べられるのは朝7時から8時の間だけ、しかも現場に行くまでやってるかどうかがわからず、やっているとわかってもそこに入るのに恐ろしく勇気がいる、という、素人には厳しすぎる条件の製麺所であります。場所はあの「与北の山下」の近く。善通寺駅からは私の足で約25分。早速駅へ戻り、南側の踏切から東へ流れ、与北橋で319号線を渡り、県道22号を進みます。

Tiampffd ちょっと急ぎ目に20分ほど歩くと、うどん通にはお馴染みの与北町交差点が近づいてきます。上の写真の「宮西ちよ歯科」はここでの重要な目印です。

交差点から南に目を向けると、名店「山下」の看板が目に入りますが、まだ開店前ですし今回の目的には入っていないのでスルーです。さらに少し東へ歩きます。

8bl3_v7v この製麺所はネット系地図に載ってる有名店とは違って地図に目印はついていませんし、基本はおおよその地図感覚と「こっちっぽい」という直感です。

というわけで、←この小さな交差点を曲がると、わかる人にはわかる製麺所(どうも普通のうどん屋のように「店」とは書きづらい)が見えてくるのですが、もうここまででだいぶ長くなってしまったので、うどんが一切出てこないけど次回に続きます。






2008年5月11日 (日)

実録:列車と歩きでうどんツアー'08(その1:市場の朝は早い)

Wupuxlrg 坪尻駅を先に3回やってしまってうどんのことは忘れてしまったかのようではありましたが、いろいろと思い出しつつシリーズ開始です。今回は連休谷間の4月29日深夜、神戸はジャンボフェリーの乗り場からスタートです。0:30発で高松東港に4:10着。無料バスで高松駅4:56発に乗ることができ、早朝オープンの店(または製麺所)を回るには最適のパターンです。問題は「眠い」ことに尽きるのですが。

久しぶりに列車と歩きで行きましたので、同様の奇特な趣味の方向けに、なるべくルートがわかるような写真もつけてまいります。

Nqsotrqi さて、18きっぷ時期でもないこのシーズン、今回の旅を安く上げるツールその1は、「ジャンボフェリー&フットバスセット券」3990円。行きは神戸から、帰りは難波へ。一応往復寝られてそこそこ安いきっぷです。バスは高松発の最終が19:30ですから、夕方のうどんで仕上げて帰ることができます。坪尻辺りをゆっくりできたのもこれのおかげ。

さて連休の谷間ということもあってか、フェリー乗船時の行列はだいぶ少な目でした。船室の区画に10人入るか入らないかぐらいでしたから、横になるにもあまり周囲に気兼ねする必要ないぐらいでした。無料バスも席が埋まるほどではなかったですし。

Xk7qqijw で、高松に着いてから、電車で回るツアーへの強い味方になるのが、←こちらの「ことでん・JRくるり〜んきっぷ」(窓口でこの名称を告げるには多少抵抗があるが)。ことでん全線と志度〜高松〜多度津〜琴平間のJRが当日限りですが乗り放題(特急は別途料金が必要)で1700円ですから、そこここで下車しながらある程度回れば元が取れます。

個人的には、できれば観音寺と讃岐財田まで利用できればなあ、と無理な希望を言いたくなったりもしますけどね。

Tknr__kl 今回の1件目は丸亀の「オビカ」。駅でいくと丸亀より宇多津に近いのですが、高松4:56発で宇多津から行くと6時の開店にはちょっと早いので、丸亀で降りて東へ戻ることにします。

駅を降りて北側に出て、丸亀港を回り込んで浜街道に入ります。早朝だけに車はまだまばら。

G1g1lwte ファミマの前を過ぎるとすぐに歩道がなくなり、車道は富士見大橋の高架を上っていきますが、歩行者は側道に入り、しばらく行くと歩道橋が見えてくるのでそちらを上ります。

歩いても汗はかかない程度のさわやかな空気。朝日を浴びながら進みます。富士見大橋を抜けたら、浜街道の北側に入って土器川大橋を渡ります。交番の前を通り過ぎた次の信号を左に入ると、「香川県中部地方卸売市場」の門にたどり着きます。

Tcxv92jf 中は当然ながら卸売市場ですので、入るなりこういう雰囲気。特に徒歩だとちょっと突っ込んでいくのに勇気が要りそうですが、関係者も別に気に留める風ではないので(というか、うどん目的の人も頻繁に見ているということでしょうね)、そのまま右側の店舗の列へと向かいます。

Rpqt9tlf こちらが「オビカ食品」。先客は1人、というか6時到着で既にいるというのがさすがに市場のうどん屋です。

のれんにあるとおりセルフの店で、中に入ると正面にあるカウンターに茹でて締めたばかりのうどんが並んで...おっと一つしかないのでそれを取ろうとするとおばちゃんが「小でええんな」と一言。一つしか置いてないとどっちかわからんかったんです。私のうどんツアーポリシーは「男なら大を食え」でありまして、大をもらって、自分でゆがくこともできますがここはそのまま、ネギとショウガを振ってしょうゆうどんにし、ついでに小さめのちくわの天ぷらがあったのでそれを取ります。

Ishlscp6 うどんは細からず太からず、シャープではないがエッジも程良く立って、何より茹でたて締めたてのツヤと張りが素晴らしい。

食べてみると多少柔らかめですが、非常に滑らかで最初の感触よりも意外にコシと粘りがある麺です。柔らかいが奥にしっかりコシのある麺というのは最近の私の好みと言って良いです。少なくともこの状態であれば非常に美味しい。これで大と天ぷら合わせて250円とは実にお得です。

なお、食べ終わったら食器はおばちゃんに返したらいいようです。初めての、特にセルフの店で返却口がないところはどうしたらいいのか結構困るんですよね。私も先客の方が立ち上がるのをちょっと待っていたりしましたが。

別に朝イチだけやっている店ではないので、いいタイミングを見計らってみてください。これは値打ちがあります。


(というわけでつづく)





2008年2月25日 (月)

プジョーで行く新春うどんツアー(その10)

前回のつづき、このシリーズもようやくこれで最終回です。


Nha95ivl 「池内」で鯉にうどんをやって綾川流域うどん屋巡りは一応終了。この時点で昼時にはまだ早く、しかし昼時までにちょっとはお腹に余裕を作っておく必要もあり、ということで、結構寒かったのですがある程度歩ける場所で時間を調整することにしました。

屋島です。

屋島の山上にはケーブルが廃止になる前に一度登っただけで本当に久しぶりです。ドライブウェイは山上の駐車料金も含めて往復610円。これじゃケーブルがなくなるはずだ。今は公共交通機関としてはバスが代替しています。↑の写真は登り、屋島の東側です。

Lnsd7mmq 屋島寺から屋島の西側に回っていくと、いくつか茶店兼土産物店が並んでおり、そしてこういうタイプの景勝地の定番、「かわらけ投げ」もあります。

かなり冷え込んでいたのですが天気はまずまず何とか保ってくれ、鬼ヶ島こと女木島と男木島の2つの島もきれいに見晴らせます。

で、また麓まで降りてきましたがまだちょっと時間は早く(帰りに乗るつもりのフェリーのタイミングがちょっと微妙)、ついでにと四国村へ。

W3sn83gh ちょうど鏡開きに当たっていて、かなりの量の餅をぜんざいにして振る舞っていました。こういう状況でなければ1杯いただいているところなのですが、まだこのあとに最終のうどんが待っているだけに自重自重。

しかし、四国村って結構広かったんですね。民家の数もかなり多く、しかも順路は一直線なら30秒でいける距離をあっちこっちの家屋へ回り道させてくれるのでショートカットしなければかなり時間がかかる上にアップダウンをかなり歩いたぞ、ということになって、おいこれはかなり午前中分の腹ごなしはできたんではないか、という状況でもう意外と昼過ぎ遅くなって「わら家」に到着。

53jezqbr 13時をかなり過ぎての入店になりましたが、広い店内はまだまだお客さんで一杯です。一番端っこの小部屋みたいなスペースに入り、もう20年ぶりぐらいに「たらい」(正式名称は「家族うどん」)を注文します。釜上げ1玉だと410円ですが、たらいは10玉入りで2300円。お得ではあるのですが、人数が揃っていないと食べられません。意外とすいすい食べられる麺ではあるのですが、やはり理想は大人4人で食べるぐらいでしょう。3人だと結構重たいです。

ここでは麺はともかくネギが美味いという話は以前のエントリにも書いたので繰り返しませんが、かつて「恐るべき」で田尾教授が記したとおり、この「たらい」のひと口目ほど、釜上げうどんを食べる喜びを得られる瞬間はそうそうないと思います。そして、その余韻が消える前に食べきってしまうこと。「わら家」の楽しみ方の極致はそこにありますから、やはり「家族うどん」は4人程度で食べるのが理想的なんでしょうね。


というわけで今回のツアーは終わり。あとは宇高国道フェリーでちょっと休憩して、東へ車を走らせるのみ。私はさすがに帰り道に食事をするお腹の余裕はありませんでしたが、途中のSAで何か食べてた人もいたような。余裕あったんかいな、と思いつつ、次回はGWかまたしても夏のがまん大会か。


(この項終わり)





2008年2月18日 (月)

プジョーで行く新春うどんツアー(その9)

まだやってます。前回からの続きです。


「高崎」の次に目指すのは、ファンには「麺通鯉」で有名な旧綾上町の「池内」。全くの素人には店の前まで来ても先客がいなければ意味するところが理解できないままとなるかも知れません。わかっていてもやっぱり不思議な店なのですが。

Nxqptloh 朝から1時間少々でうどん5玉とかき揚げを食してかなり厳しい腹具合になってきましたが、お構いなしに向かいます。まず高崎まできた旧国道を戻り、赤坂前を通過し、右から南下してくる県道へ斜めに合流してすぐに右、しばらく西へ進んで萱原の交差点を左です。農業経営高校を右に見て、信号を越えるとすぐに綾川を渡る一本松橋。その先すぐにあるのが「山越」なのですがこの日は定休日で車の影はなし。その手前の信号を左折します。これが377号線。

ここからは道路の右側をチェックします。あまり上ではなく地面近く。しばらく行くと、↑写真の店に到着します。看板は掛かってなくて立てかけてあります。

さて、ここまで来て、うどんにありつくにはまだ関門がありまして、店は玄関ではなく裏にあります。写真左側、トイレの横にある路地を抜けて裏に回り込むと、そこにはお客さんがいっぱいです。

Hmprfhba ここはうどんもそばも作っていますが、私としては恥ずかしながら、ちょっと胃袋がきつくなってきまして無念の小。引き戸を開けて中のおばちゃんに大か小か冷か温かを言うと、丼(というかラーメン鉢だ)にうどんとだし(ぶっかけだしが底に入っている)がセットされた状態でもらえます。以前は100円しなかったはずでしたが今では150円。でも安いですね。

麺はお客さんの回転も良いせいか、細めのあまりエッジは立っていないこの地域特有の麺ですが口当たり味わいは非常にフレッシュ。ツルッとした弾力のある麺です。かなり良い状況の麺が当たったということもあったのだと思いますが、高崎の麺と同傾向のうどんをもう一段ピチピチさせたような印象です。久しぶりに来たら「当たり」を引いた、という感じ。2玉行きたかったがかなり残念です。

Uoyqulgg で、この店の名物、麺通鯉ですが、店の食事スペースが裏庭みたいな所になっており、その後方下側にある池に、かなり大型の鯉が数尾、ゆったりと泳いでいます。なかなかこっち側に泳いできてくれないこともありますが、じーっと待っていると、どれかは麺を放って届くところに寄ってきてくれます。

結構難しいのですが、うまく鯉の鼻先近くに麺を落下させることができれば、これが見事にツルッと食べてくれるんですねえ。「ホンマに食うとるやんか」ということで、かなりウケます。

ある程度技術が必要なようで、池の手前にひからびた麺の跡が結構見られます。もったいないので自信のない人は他の人にやってもらいましょう。


というわけで、この地域での予定は終了。ちょっとお腹を空かせておいてから、久々の「たらい」です。


(ようやく、あと1回。)





2008年2月 9日 (土)

プジョーで行く新春うどんツアー(その8)

前回からさらに続きます。気がつけばもう8回目です。


6rbahior 「赤坂」を出て旧道を戻ります。小学校を過ぎ、信号を越え、マルナカを過ぎたら左側に注目。何軒か民家が続いている中に、うどん屋があります。

←これが「高崎」の入口です。のれんなし。うどん屋であることが一番簡単にわかるパトライトもなし。「営業中」という札がぶら下がっているだけ。私も初めて中に入る店です。以前前を通ったような気はするんですが。すぐ北をバイパスが通り、旧道をわざわざ走る車も少ないですから、ここを走る車のある程度はうどん狙いでしょう。住所は綾川町陶ですが、ここまで来ると琴電の駅では畑田に近くなります。

Ntqisuad と、上の写真だけ見ていると誰にもわからないウルトラダイナマイト級の穴場みたいですが、実際には店の東側の壁に←このような看板がついています。「いなか」というのは別にここの正式な屋号というわけではなくて、たまたまお客さんが持ってきた看板にこう書いてあっただけ、ということらしいです。私は表札に従って、「高崎」でいっておきます。

車は店の前にも横にも停めることができますが、前だと写真を撮りづらいので横へ。すると中からおばちゃんが出てきたので停めたらあかんのかな、と思いましたがすぐ中に引っ込んだので問題なかったんでしょう。あとでわかりましたが、多分法事かなんかでせいろ幾つかを取りに来るお客さんがいて、その人の車かな、と思ったらしいです。

中に入るといかにも昔ながらの製麺所スタイル。手前側には本当にちょっとここで食べていく、という人向けの、どう見ても買ったものとは思われない椅子とテーブルが若干。仕切の向こうには何とも時代を感じさせる煉瓦のかまど。そしてこの日は玉売りの予約がかなり入っているのか、おっちゃんもおばちゃんもちょっと忙しそうです。
Gazexzeu うどんはおばちゃんに玉数とそのままか温めるかを言うと出してくれます。だしはぶっかけだしでちょっと濃いめ、自分で適宜注ぎます。ネギや天かすもセルフで。あちこちの情報では洗った割り箸が、という話でしたが、←その辺はちょっと進化したのでしょうか。

予定外に「赤坂」に寄ったもので、朝一発目から既に3玉、そして意外に効いているのが「山下」のかき揚げ。それでもここで大の男が「小」など頼んでいては情けない、ということで2玉入れてもらったらこれがなかなかの重量級。そして玉売りの都合があったのか、行ったタイミングの割にはやや時間の経過を感じさせる麺でありました。


この辺り特有のやや細めであまりエッジの切れていない直方体タイプの麺(「緑あひる」を使っているらしい)は、柔らかめで通りはそこそこ滑らかなのですが、舌触り歯触り喉越しがややボソボソッとした感じで、「あ、これはちょっと回ってもうたかなあ」と思ってしまいました。まあ製麺所系は食べに来る客がメインではないので、こういうことも時々あるものです。再訪すればまた違った感想になるかも知れません。


前日は11玉、この日は朝の10時前で5玉。朝の部はさらにもう1軒。今来た旧道を西に戻ります。


(あと2回です)