[北朝鮮]将軍様の死と「偉大な後継者」
「ベタな平日」に入り、スワンナプーム空港に着いた途端に目にしたでBBCのニュース映像がもうこればっかりです。
しばらくニュースに姿を見せていなかったと言われるリ・チュンヒ 女史が久々に我々の見ることのできるテレビにご登場、と思ったら、喪服に涙、やはり何か病気でもされていたのか、それとも将軍様の訃報に憔悴していたのか、随分とやつれた姿ではありましたが。
視察途中の列車の中で、突然心筋梗塞の発作を起こし、そのまま亡くなったと伝えられていますね。亡くなってから報道までの2日程度のタイムラグというのは、この国の諸々の実情、突然の死(と伝えられているとおりであれば)からその後の国家的段取りとかを考えれば、遅くはないと言えるでしょう。むしろ早すぎるという感もあります。
恐らく、三男を後継者としてこのような事態の時に指名することは、万一の場合のシナリオとして用意されていたものでしょうし、当面、新たな指導者を戴く体制の確定に向けて、北朝鮮ならではの手続きが繰り広げられることになるのでしょう。
ただ、多く指摘されているように、亡くなった将軍様の就任の時とは随分と事情が違うことは間違いなく、今回の権力継承には内外両面での危険性を孕んでいるのは間違いないでしょうね。
「偉大な首領様」から「偉大な将軍様」への権力継承は相当に慎重に行われ、金日成主席時代から相当の期間帝王学を仕込まれ、やがては息子が親と対立し、命に関わる遠因になる関係にまで至ったと言われているわけですし、父の没後も総書記の地位で形式的にも世襲独裁者の位置を確定させるまでに相当の時間をかけ、周辺の政敵を蹴落としてきたわけです。それに比べて正恩氏への権力継承は(既に党大会における後継者としての「お披露目」は行い、公の場への登場機会も確実に増えていたとは言え)まだまだ途中経過であったのではないかと思われます。66歳で脳卒中を起こし、自らの残り時間を明確に意識せざるを得なくなったはずの将軍様としては、あと5年の寿命が欲しかったのでは。
問題はやはり、正恩氏がその指導力を確実なものにする前に、いわゆる側近政治がはびこりだすことではないかと。確かに後継車としての地固めをされ始めていたのは間違いないですし、そのためと思われる体型の形成(これってやっぱり寿命を縮める元では?)も進んでいるようですが、いかにもまだ若く(この国の指導者としていい意味ではなく)、さまざまな国家運営の分野での経験も未知数、特に近年の経済失策もあって国民のじわじわとした不満はどう動くのか不透明ですし、軍を押さえているとは言ってもこの先が盤石なのかと言えばもやもやしているような。
となると、指導者としての地位を確固としたものとするまでに、側近を交えた指導体制が構築されるのではないかと思われますが、そこには側近政治の弊害というのがついて回ります。いつ正恩氏が偉大なる傀儡にならないとも限らない、そしてかの国が周辺国にとって危険なものを持ち続けているだけに、その後継の動向には、我々も無関心ではいられないのであります。
それにしても、これまで当ブログでも思わずエントリしたくなる何とも言えないネタを提供していただいていた将軍様が亡くなって、北朝鮮はそういう面でもどうなってしまうのでしょうか。開くにしろ閉じるにしろ、これも周辺に与える影響は少なくないものと思われます。
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