[W杯モード]未知の扉の前の戦い
Round of 16最後の1日。まずはプレトリアでの、世界的にはこのラウンドで多分一番地味な部類に入りそうなパラグアイ対日本。日本はここから先は、誰が行っても正直「真剣なおまけ」と言える試合(本当はイタリアが相手になるはずだったんだが)。またパラグアイにとっても未知の領域である8強を目指す一戦。この大会、日本にとっては初の南米との対戦、これまでの対戦以上に細かいトラップ、微妙なラインの制御のスキが失点につながる相手。そしてしつこい守りがあるだけに、なんと言っても先取点が欲しい相手。オマケなんて言ってはいけませんね。勝ちたいのは勝ちたいんですよ。
日本はグループリーグと基本的に同じ布陣。まあ勝ってるから変える必要もないでしょうが、疲労度というのは気になるところ。パラグアイも基本的に同じか?昔のパラグアイで今のボールならGKチラベルトがゴールキックからでもシュート狙いそうですが。
さて、試合は開始から予想通りパラグアイがポゼッションを奪い、日本は守る時間がどうしても長くなります。やはり細かいパスのミス、トラップの流れたところを見逃さない、粘着力のある守りを見せるパラグアイ、しかしサンタクルスを中心とした攻撃陣はピッチを幅広く使って攻めては来るもののあまり危険なシーンは作れず(サンタクルスの正面でのシュートぐらいか、やばかったのは)、しかし日本もロングボールで返すだけで、本田がデンマーク戦で見せたような「矯め」を作ることがまったくできません。時折相手の隙を突いて出る反攻も、ほぼ唯一の危険なシーンは松井のクロスバーを叩いたミドルぐらいだったでしょうか。
ずるずるずる~っとパラグアイのペースにはめられたような感じで0-0のまま後半へ。まず大きなピンチは長谷部のトラップミスから招いた55分、中澤が何とか身体を入れて危機を逃れます。しかし相変わらず細かいスキをどんどん突いてくるパラグアイの攻め。58分にはスローインからの流れでベラがフリーでヘッド。ここは川島がしっかり抑えます。
先に交替を仕掛けたのはパラグアイ。バルデスを入れて前への圧力を強めてこようという狙いでしょう。62分のCKでは闘莉王が頭一つ出てシュートしましたがサンタクルスに身体を入れられ(当たってるけどね)てしまいます。
65分に松井から岡崎へ交替。ちょっとこの試合は本来のキープ力が生きる機会が本当に少なかったようです。67分のパラグアイのFKでは川島と闘莉王が交錯。かなり強く衝突したようで、何とか立ち上がりますが肩をかなり打った様子。ともかく試合は続行します。
どちらも決め手を欠いた膠着状態が続くイライラするような展開。パラグアイは75分にオルティゴサをバレットに代えて、さらに「前にプレッシャーをかけられる体勢を狙ってきます。日本も時々スキを狙ってきますが、なかなか速いスピードで押し上げられない状態です。
80分を過ぎて、阿部を中村憲に交替。2枚目のカードを切ってきます。これで日本も前へ、という姿勢を見せたということでしょう。守りは長谷部がより強く受け持つ形になるでしょうか。その中村憲のファーストタッチは左サイドから長友のクロスにつながり、大久保が真ん中へ走り込みますがGKへのキックに終わります(下手するとカードもらっちゃうよ)。
85分過ぎからはパラグアイ陣でのプレイが続きますが、パラグアイの分厚い守りを崩せず、シュートに持ち込めないまま。91分の遠藤のFKも闘莉王の足にちょっと届きません。ロスタイム3分もどっちつかずの展開のまま、延長に入ります。
日本チームにとって、W杯初めての延長戦、そしてどちらにとっても、W杯の未知の扉の前でさらに戦い続ける延長戦。まずは中村憲が右サイドから素速いグラウンダーのクロス(シュート?)でCK。岡崎が何とか合わせようとしますが合わず。そして94分にパラグアイはサンタクルスを下げてカルドーソを入れてきます。とにかく前でグリグリ攻めてどんな形でも1点を、というということでしょう。95分にフリーになったバリオスがヘッドで狙いますが川島の正面です。
日本も中盤が殆ど上がれなくなってきて、苦しい延長戦。パラグアイはモレルのパスからエリアの前後で波状攻撃を仕掛けてきます。日本はとにかくセットプレイをもらってチャンスを作りたい、というところですが、その99分のチャンスでは、本田の左足は枠の外。
パラグアイはもう日本のラインが下がってしまっているのを見越して、「いつでも入れられる」という雰囲気の攻勢。しかし最後の最後で中澤、闘莉王の寄せが効いてフリーでは打たせません。延長前半はあっと言う間に終了。ここで大久保が下がり、玉田に交替です。
そしていよいよ延長後半。112分に遠藤からファーサイドの闘莉王へフリーのボールが行きましたがヘッドは枠の外に落ち、その直後、遠藤がちょっと不用意にイエローをもらってしまいます。もう互いに限界いっぱいまでの戦いは、116分に長友の抜け出しから玉田がエリア内にフリーで持ち込みながら、シュートを打たず(これがここまでフルに出ていない影響か?)、危険なシーンまでは作れません。パラグアイも攻め込む場面はありますが、ゴールの臭いは感じられないまま、120分スコアレスでPK戦に入ります。
ほんとうに、日本は中澤、闘莉王を中心に良く守りました。前線はなかなかいいチャンスを作れなかったけれど、逆にパラグアイに殆どフリーでチャンスを作らせなかったのは素晴らしい。交替が玉田でなく森本だったら、とか、まあ言うても詮無いことでありましょう。あとはもう、運がどっちに微笑んでくれるか、ですね。
PK戦はパラグアイ先行。バレットが左隅に低いボールを決め、続いて遠藤、ふつーに右隅へ決めてまず1-1。
2人目、バリオスの右へのキックに川島は反応したが届かず、一方長谷部は左へ。ビジャルも反応していますが届かず、2-2。
3人目、リベロスは逆を突いて右へ落ち着いて決めます。そして駒野、ビジャルの飛んだ左クロスバーに当ててしまいこれで3-2。
4人目、バルデスは右中央に、4人連続で決めてきます。一方の日本は本田。遠藤直伝か、というコロコロPKで4-3。
さあ、そして5人目。カルドーソが左隅へ落ち着いて決めました。
日本の夢はここでおしまい。何とも言えない虚脱感が覆います。でも、本当に良くやりましたよ。ちょっとだけ、運が足りなかっただけ、ですね。開幕まではドタバタ感がありましたが、これが「次」に着実につながることを願いましょう。というか、やるべきことはよりクリアに見えた(やっぱりこういうところで「点がとれそうにない試合」をやってはダメなんですよ)、その意味でもここまで勝ち上がれたことには十分に意味があったと思いたいですね。
で、「W杯モード」はまだ続きます。
(6/30夜追記)
というわけで、ちょっと上のところにも追記したりしてるんですが、ともかくスペインはポルトガルに1-0という点差以上の圧勝。C.ロナウドもほとんど仕事できず。これだけ抑え込まれてしまっては勝てないでしょう。そして63分の得点を挙げた微妙なボール回しとビジャへの流れ。1点だけだがこれさえあれば十分、という勝ち方でした。
このスペインとできればやって欲しかったなあ、と思いつつ、また4年後に思いを馳せることに致しましょう。
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