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2006年4月

2006年4月30日 (日)

[鳥インフルエンザ]そんなこと言えば言うほど

彼らには前歴も山ほどありますからねえ...

衛生部「中国の鳥インフル報告に虚偽なし」(人民網日本語版)

そもそも、そういうことを当局が力説しなければならないところに大きな問題があることがわかってんだかわかってないんだか。

(記事引用)
衛生部の毛群安報道官は28日、一部欧米メディアが「中国の鳥インフルエンザのデータは疑わしい」としていることについて、鳥インフルエンザ感染状況に関する中国政府の発表に虚偽はないと、重ねて説明した。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
(引用中断)

どこがソースでも所詮超統制メディアですしね。これだけ聞いて「なるほど、中国も正確な発表をするようになったんだね、ふむふむ」とか思う人が何人かでもいるんでしょうか。

(続いて引用)
米紙「ウォールストリート・ジャーナル」アジア版は27日、「中国の地方政府の一部関係者が、鳥インフルエンザと疑われる病例のデータを隠している可能性がある。中国における鳥インフルエンザでの人間の死亡例は、政府発表の12人を超える可能性がある」と報道していた。

毛報道官はこれに対し「地方で発生している病例は診断後、可及的すみやかに公表されている。感染情報の発表は迅速に行われており、公開され、透明だ」とした。(中略)

(また中断)

可及的速やかに公表せよと中央からはお達しを発しているのかもしれませんが、地方には地方のメンツがあり、中央にもそれぞれのメンツがあり、こんな話信用せいと言うのがどだい無理な話ですね。この国はSARSを境にスパッと変わった?やってる人も集団も大して変わってないと思うんですけど。

(も少し引用)
衛生部は25日、原因不明の肺炎が見つかった場合は、ネットワークを通じて直接通報するほか、現地衛生部門にも報告するよう求める通達を出した。衛生部門は報告後、ただちに専門家チームによる確認、診断、スクリーニング検査を行う。通達ではさらに、法定伝染病と疑われる原因不明の肺炎による死亡者について、法に基づき遺体の解剖検査を行うよう求めている。(以下略)
(引用終わり)

たぶん、中央では、「隠蔽体質」と欧米諸国に囃されるのに対してかなり神経質になっている部分はあるのでしょう。と同時に、「あいつらに言われたくないね」と舌を出している部分もあるのでしょう。巨大な官僚機構の隅から隅まで、国際社会で必要と考えられる感覚が行き渡っているとは思えないですね。

まあ日本も決してそう偉そうなことは言えませんけど。

[街中の花]ベランダの春菊を

Hnatpfct 放ったらかしにしていたら、気がつけば花が咲いていました。

確かにキク科の形ですが、こんな花だったんですね。
野菜として食べる植物は、花まで見ることが少ないです(ブロッコリーなんかはつぼみの状態で食べてるんですけどね。家で育てるとこんな所からもヒョコヒョコ出て来るんか、というのが面白かったりする)が、そこまで育ててみるのも悪くないですね。

どうせだからもう一世代殖やしますか。

シルベストレ・レブエルタスのこと(その1)

メキシコの作曲家、と言われて、思いつく人はいるでしょうか。クラシックギター関係がお好きな方なら、マヌエル・ポンセ辺りの名前はすっと出て来るかも知れませんが、それ以外にも、カルロス・チャベスとか、今回お送りするレブエルタス、他にもモンカージョとかカラスコあたりが出てくるようだと、結構メキシコ物に毒されはじめていると言えるでしょう。


日本のクラシック音楽業界は、従来からドイツ・オーストリア系が最大の主流にあり、その周辺にフランス系、ロシア系、イギリス系、スペイン系、アメリカ系が細めの線としてくっついている、という感じで、中南米、アフリカ、オセアニアといった辺りは、一部の例外を除いて本当に粗略な扱いを受けているという状況が未だに続いています。


しかし、往々にしてそのように多くの人から無視されているエリアの作曲家の音楽に、心をぶるんぶるん揺さぶる凄い物が混じっているというのはよくあるもので、レブエルタスの音楽も、私にとってはそのうちの一つであったわけです。


レブエルタスの作品の中で比較的知られているものといえば、「蛇殺しの唄」というニコラス・ギエンの詩に基づく「センセマヤ」という管弦楽曲でしょう。拍子もオーケストレーションも独特で、ごっつくて音がとても多い、という風に感じる作品は、しかしリズム的にも演奏効果的にも迫力にあふれ、古くはストコフスキー、さらにバーンスタインあたりも、この曲については時々演奏し、録音も残しています。


次によく知られているのは、「マヤ族の夜」という、もともとは映画音楽として作られた作品(したがって一部通しで見るとつながりがないところがある)。音の多さという面では「センセマヤ」を凌ぐと思われるこの曲、冒頭から巨大な遺跡を俯瞰するかのようなスケールの大きい音楽、マリアッチの雰囲気を色濃く持つ第2曲、静謐な中に彼独特の楽器使いが冴える第3曲、そして打楽器が猛烈なリズムの競演を繰り広げて大活躍する最終曲と、これ以上に個性的な曲は探しても見つからないような作品です。


レブエルタスの作品に関しては、次回以降、彼の壮絶な生涯とともにまた紹介したいと思いますが、何しろとんでもない作品ばかりです。濃い音楽がお望みの向きには、これほどピッタリの作曲家は他にいないでしょう。


このCDは、レブエルタスの生誕100年を機に録音された作品集。サロネン/ロスフィルというメジャーな組み合わせで録られたディスクで、レヴェルの高い演奏が楽しめます(「マヤ族の夜」に関してはこれだけしっかりしたオケでこの曲をやるとこんなにごっつい演奏になるんや、と素直に感心しました)。まずはこれを導入にしていただいて、レブエルタスについてのお話を続けていきたいと思います。



(参考ディスク)
レブエルタス:センセマヤ、オーチョ・ポル・ラジオ、マヤ族の夜、フェデリコ・ガルシア・ロルカへのオマージュ、窓、2つのシリアスな小品


サロネン指揮 ロスアンジェルスフィル、同ニュー・ミュージック・グループ
SONY CLASSICAL  SK60676 (1998年録音)


Hixj6q4e



2006年4月29日 (土)

[北朝鮮]やっぱり多分アメリカは本気だ

少し前から、アメリカの北朝鮮に関する動きについて、「本気」の度合いが高まっているというエントリをしておりましたが、この流れはやはり本物ということなのでしょう。

横田さん拉致解決訴え、ブッシュ大統領が協力約束(讀賣新聞)

(ニュース元はこちら)

(記事引用)
北朝鮮による拉致被害者、横田めぐみさん(当時13歳)の母親、早紀江さん(70)と、めぐみさんの弟、拓也さん(37)は28日午前11時(日本時間29日午前0時)すぎからブッシュ米大統領とホワイトハウスの大統領執務室で面会した。

 大統領は「米国は人権を尊重し、自由社会を実現することを強く保証する」と述べ、拉致問題解決への協力を約束した。

 被害者家族は今回の大統領面会を事態打開への大きな一歩と位置づけており、米国の支援を受けることで拉致問題解決に向け北朝鮮に対する国際圧力がいっそう高まるのは確実とみられる。
(以下略)
(引用終わり)

米大統領と日本人とのこのような面会がなされること自体、相当に異例なことだと思いますが、当然そこにはそれだけのメッセージが込められているわけでありましょう。横田さん、米議会の公聴会にも出席されていましたし、アメリカでもこの件が一般的に注目される可能性が十分出てきました。これはまさしく、アメリカが例の通貨蹂躙状態の露見以降、北朝鮮に対して本格的に対処しようと考えていること(もうこれ以上北朝鮮に虚仮にされるわけにはいかないと決意していること)の一つの表れでしょう。そして、背後にいる中国に対して、強い牽制をかけに行っている、ということでもあるわけでしょうね。


なお、関連ニュースとして、ご参考までに、
米大統領懇談会に招かれた日本、招かれなかった韓国(Chosunilbo Japanese Edition)

(記事内容はこちら)

あたりをご参照下さい。引用しませんが、なかなかあちらの方は屈折してます。



(今日聴いていたCD)
マーラー:交響曲第1番、アイヴズ:闇夜のセントラルパーク、答えのない質問
ギーレン指揮 南西ドイツ放送響
hanssler CD93.097 (1995,2002年録音)

ギーレンのマーラーがWaltyにぼろぼろ落ちていまして、このディスクも880円にて購入です。なお、何かおまけの入っている物を優先して買っております。
このディスクでも、聴いてみたかったのはむしろ併録のアイヴズでありまして、「闇夜のセントラルパーク」は特に弦の静寂を通り抜けていくもう一つのオケの音が立体的に表現されており、イマジネーションに富んでいます。まさに「音の絵」という作曲家の意図を明確にしたという演奏。「答えのない質問」(作曲家はそもそも別の機会に作曲しているのですが、後に「闇夜」からつながる作品と位置づけようと考えたらしい。だからこのカップリングは一応正解ということになりますね)は、pppの弦に透明感があり、トランペットとフルートがこれもあまりケンカしないで澄んだ状態でとけ込んでいるという感じの演奏。こんなのもありかな、という感じです。バーンスタインあたりとはかなり様子が違って聞こえ、よりあっという間に終わるという気がします。
なお、マーラーは、なかなかエネルギー感のある演奏。色彩感が際だっており、かなり端から端までよく鳴っています。録音も良く、マーラーが初めての方にもお薦めできそうです。
Gnwcexky

[チョコレート]99%に挑戦

Gmhiizyd 以前、こちらのエントリでカカオ85%にチャレンジしたと書いたのですが、世の中にはカカオ99%の「大人のチョコレート」(っていうものか普通?)が各社から発売されています。

85%を制覇したからには、やっぱりトライしておくべきやろな、ということで、今回は明治の「チョコレート効果」99%を買ってみました。やはり糖分は添加されていません。

確かにパッケージには、「非常に苦いチョコレートです」と、三角に「!」マーク付の表示。何だか食べられることを半分拒否しているような雰囲気が感じられます。

中を開けてみると、さすがに真っ黒。形はチョコレートですが、やはりただ物ではないぞ、これは。

とりあえず、そのまま食べてみてどんなもんなのかをチェックしてみよう、とひと口。


これは... 確かにきつい。

苦みは想定内といったところだったのですが、後からドワッと出てくる酸味が食べにくさを倍加しています。
妻もちょっとかじってみたのですが、絶句していました。

さすがにそのままの状態で1枚全部食べきる根性はありません。残りはもうちょっと美味しく食べられるように工夫します。

[キリンレモン]久々に見る直球勝負

B2s6ltms 最近よく見る、キリンレモンのCM

スカーッと抜けるような青空、眩しいビーチ、踊る水着の女の子、それにシャワー、オリジナルなんだろうけどどこかで聴いたような気がする音楽。

久しぶりに、直球一本ズバッとくる水着系CMと言えるでしょう。

CMに妙な懐かしさを感じるのは、素直な爽やかさを演出しているためでしょうかね。

昔、どちらかというとスプライトよりキリンレモン派であったなあ、でもひと瓶飲みきらないうちに炭酸でお腹がパンパンになったっけ、などとちょっと思い出したりもしておりました。


(追記)あとで確認してみたら、このモデルさん、ブレンダさんっていうんですね。この筋には疎いので知りませんでした。1972年生まれって、こりゃすごい...

昨夜は久しぶりに落ちました

昨日は岸和田で結構呑ませていただきました。
「がっちょ」の唐揚げ、締めの水なす、美味しかったです。
家に帰って、ブログアクセスの確認だけして、寝落ちしました。


あ、昨夜のうちに、30,000PVに到達していました。
20,000から30,000まではわずか8日間
毎日数多くの方にご訪問いただきありがとうございます。
引き続きぼちぼち参りますので、よろしくお願いします。

2006年4月28日 (金)

[公取委]課徴金減免制度の使い方

公取委絡みで、先日は犯則調査権限の初利用なんて情報もありましたね。改正独禁法が本格的に活用され出したようです。

さて先月、このエントリで、談合などの不当な取引制限についての課徴金減免制度についてちょっと書いたんですが、

その後、ちょっと確認してみました。

課徴金減免を適用してもらおうと思えば、該当する独禁法違反行為を実施したあと、他社とは関係なく単独で公取委に申告する必要があり、要は談合した会社に抜け駆け・裏切りを奨励するようなシステム。そんなもの、いくら時代が変わりつつあるといっても、村社会の談合組織で事例が出てくるのか?と思っていたら早速出てきたもので、どうなっておるのかと...

公正取引委員会ウェブサイト内にある、「課徴金減免制度について」というコーナーにはQ&Aが設置されていますが、そこにはこのような内容が含まれています。

(サイト引用)
問17  課徴金減免制度を申請したことは後で公表されるようなことはあるのですか?
 
答17  課徴金が減免された事業者の有無,事業者名について積極的に公表することは予定していません。

(引用終わり)

「積極的に公表することは予定していません」というのは、課徴金納付命令が出る際に申請した事業者は何もしなくてもある程度推測できるだろう、ということも含めると、あまり宣言する意味がないように思われ、逆にこれには何か別の意味があるのかとさらにチェックしてみると、

恐らく業界関係者には周知のこととは思いますが、国土交通省のサイトにこんなものが。

◯工事請負契約に係る指名停止等の措置要領中央公共工事契約制度運用連絡協議会モデルの運用申合せ(pdf)

(一部抜粋)
7 モデル別表第2関係

四 別表第2第5号から第7号までの措置要件に該当した場合において課徴金減免制度が適用さ
れ、その事実が公表されたときの指名停止の期間は、当該制度の適用がなかったと想定した場合
の期間の2分の1の期間とする。


別表第2第5号から第7号というのは、要するに独占禁止法上の不当な取引制限や事業者団体による競争制限行為を行った場合、該当する地方整備局管内かそうでないかで若干の差はつくが、行為が認定されたとき、または他の管内で告発等があったときから1ヶ月ないし12ヶ月の指名停止をかけますよ、というもの、これが課徴金減免が適用され、「公表された」場合には、期間が半分になる、というもの。

ということは、大規模談合があったときに、入札がたて込む時期とかをにらんで、周りの動向をチェックし、時期を逆算して申告すれば、大半が指名停止中の期間にごっそり仕事を取れるチャンスが巡って来るということにもなり、後先考えずにこういう手を打ってくる事業者がいれば、地域の業者地図が多少変動するぐらいのインパクトを与える可能性もあるということになりますね。

公取委は積極的に公表はしないとしていますが、指名停止期間短縮については、公表が要件ですので、事業者側から申告時に、「これは必ず公表して下さいね」と念押しなんかしてしまったりもするのでしょう。

国がこのように定めたものですから、当然に地方自治体でも同様の規定をおいた条例が次々と出てきており、大概はそこでも申告者にはあまり罰を与えず、という形を取っているようです(長野県とかでは申告者には指名停止を課さない、ということにもなっているらしい)。

これなら裏切ったって儲かりゃええんちゃうんという動機付けになってしまうかも知れません。

今後、そういうところも加味して、情報のチェックをしたいと思います。

2006年4月27日 (木)

[日本ブログ協会]これって会員になったのかなってないのか

以前、こちらのエントリで話題にした、日本ブログ協会

実は私も、こんなところで突っ込みを入れているだけではいけないと思い、いまだに復旧しないオンライン会員登録ではなく、事務局宛メールにて、会員登録申込について問い合わせておりました。それが10日ほど前のこと。

何の音沙汰もなかったので既に忘れかけていたのですが、今日の夕方、事務局からメールが1通。

ちょっと長いですがコピペしてみましょう。

 日本ブログ協会の会員の皆様には、メールにてご登録いただきまして、ありがと
うございました。
  先ず、会員申込受付が受理されておりますことをご報告申し上げますとともに、
メールにて会員申込みをいただきながら、返信が遅くなったことにつきまして、以
下のとおりその間の経緯等をご報告申し上げ、お詫びします。
 
 財団法人マルチメディア振興センターでは、2月28日に「日本ブログ協会」を
設立すると同時にサイトを立上げ、会員登録を開始しましたが、会員登録フォーム
にセキュリティ面で脆弱性が認められたため、会員登録を中断するとともに詳細状
況の確認、アクセス履歴の解析作業等を行い、個人情報の漏洩がなかったことを確
認後、メール形式による会員登録受付のみを再開しました。

 会員登録フォームによる会員登録の中断以降現在まで、登録受付のメール返信作
業を停止しておりましたが、今回、遅くなりましたが皆様にご返信させていただき
ました。今後は、メールにて会員申込みをしていただいた会員の皆様に対しまして、
順次登録受付のメール返信を行うことといたしております。

これまで、メールにて会員申込みをしていただいた会員の皆様には、返信が遅くな
りましたことを、重ねて深くお詫び申し上げます。

なお、登録フォームによる会員登録を再開すること並びに会員用ページへのアクセ
ス用ID及びパスワードの個別付与につきましては、現在準備中ですので、改めて
ご連絡させていただきます。
 また、日本ブログ協会における今後の具体的活動につきましては、準備でき次第、
逐次お知らせする予定ですので、もう少しお待ち願います。


 平成18年4月27日
                   日本ブログ協会事務局
                   財団法人マルチメディア振興センター


なんだか、いつの間にか「会員の皆様」に入れられてしまってるんですが、それ以降の文面は会員登録受付のメール返信というだけで、IDとかも未発行、具体的活動に関してもまるで出てこないまま。時限設置の団体なんだからぐずぐずしてると期限が来てしまいますよ。
一応お詫びはしていただいていますが、これってひょっとしたら3月早々のメール受付開始から、全然会員登録作業が進んでないんじゃ...

何じゃこら、と思っていると、ここに、全く同じ文面が載っていました。

ますます、何じゃこら、であります。
3月2日のお知らせで、「なお、日本ブログ協会の会員登録をされた会員の方々に対しましては、別途個別にご報告とお詫びのメールをお送りすることとしております。」とありましたが、これがそのメールなんですよね。でももうちょっと「やりよう」ってものがあるんじゃないですか?

どんどん、本来のとは違う意味で目が離せなくなってきた日本ブログ協会、また何か動きがあったら、エントリいたします。




(今日聴いていたCD)
マーラー:交響曲第9番
ワルター指揮 ウィーンフィル
オーパス蔵 OPK2060 (1938年録音)

言わずと知れた1938年1月のライブ録音。私もGRシリーズのLPで初めて聴いて以来、EMIのCDを手持ちに、この覆刻を心待ちにしていたのですが、遂に出ましたね。

日本版SPが出た頃は戦時中、盤質劣悪のため覆刻に向くものはなく、アメリカプレスのSPが今回の板起こしの音源に使われたようです。ノートにも書かれていますが、もとの盤にヒスノイズが多く、マスタリングにはいろいろ苦労があったようです。

音はかなり生々しく、この曲の対位法的表現が相当にきっちりと描き出されています。これほどに情報量のある録音だったのかと再認識。演奏は、いわゆるアンシュルス直前の一種異様な雰囲気を伝えるもの。ウィーンフィルがワルターの棒に懸命につけている、という感じがしますが、第1楽章の管弦の慟哭から終楽章の空にとけ込むような美しいピアニシモまで、時間が短く感じられる演奏です(実際に演奏も速いんですが)。

この曲を語るのに絶対に欠かすことのできないディスクです。未聴の方は是非。
Ksnwzcup

[法曹増員]ほんとにこんなんで大丈夫?

さて、今日はまた日経さんの1面にツッコミを入れてみましょうか。

今週の日経の1面コラムは、「試される司法」の第1部として、法曹界の最近の動きについて取材しているわけですが、今回は、法曹増員(司法試験の合格者数を、以前の500人程度から現在の1000人超、さらに3000人とか、9000人なんて話もあるが、とにかく大幅に増やそうとする考え方)、法科大学院制度の現状を捉えつつ、今後の企業ニーズに合った法律家を育てていくにはどうしたらいいか、というのを提示していくものだと思うんですが...

今日の記事では、現状においても、「顧客の要求水準に満たない弁護士の続出」が懸念される状況が語られています。

その内容も、手形の裏書の意味がわからないとか、取調室で文庫本を読みふける検事とか、尋問技術の基礎が身についておらず裁判官に突っ込みを食らう弁護士とか、

おそらく昔から、「何でこんな奴が司法試験に合格したんや」とかいう人は若干はいたんでしょうが、法科大学院によっては、こんなレベルの学生が増えてくることもあり得る話でしょう。

それで損失を被るのは司法サービスを利用する当事者と、サービスに停滞があればそこに手当てをするための費用を負担する納税者ということになりそうですね。

でも、それって、我々が本当に望んだことなのでしょうか。

恐らく、企業法務系弁護士の大幅増員を目論んでいるのは経済界で、日経新聞もその線に沿った声を上げていたはずです。

しかし、法曹養成というのは手間のかかる仕事。そりゃそうでしょう。法曹三者とも、勉強して知識が身に付いたら実務対応がビシバシできるというものであるわけがない。企業内の法務相談でも、実務感覚を肌で経験して能力を磨いていくのにそれ相当の時間がかかるものですし、法科大学院で特に未習者にどれだけのことができるのか、というのは素人感覚でも疑問です。有資格者だけが増えても、実務をOJTできる人が増えていない以上、資格の持ち腐れになる人が大量に排出、もとい輩出されていく、というもったいない話になりそうです。

で、今回、記事の締めはというと、

(記事引用)
「多くの国民や企業にとって弁護士や裁判官、検察官と接するのは窮地に陥ったとき。それがたまたま「ハズレ」では済まされない。法曹の担い手の量と質を両立させる知恵が求められている。
(引用終わり)

なんて、わかってるのかわかってないのかも解らない終わらせ方になっていしまっています。
とにかく「量」を何とかしろよ、と米国型訴訟社会を目指すかのような大合唱の中に日経さんの姿はなかったでしょうか。日経にもこんないい加減な結語で良しとはできないような、提言者としての責任はありそうなもんなのですが。

既存の関係者の絶対数が足りない中で、教育するにもそれなりの人数が必要でしょうし、徐々に増やすのなら解りますが一気に3倍、さらには10倍近くなど、いったいどうやって質を確保するのか、教えて欲しいというものです。

だれか、制度設計した人で、その辺の中身まで考えた人はいないんでしょうか?