あ、まずい、ナイツを見損ねた、ということで始まってしまったM-1グランプリ2009。しかし1番目という不利な状況ながら平均90点を超える安定したネタを見せたのであろうナイツ。これがベンチマーク、という点では実に見事な前フリだったのでしょう。個人的には決勝で見たいぞ。
M-1というのは基本的に現場のトーンとテレビを通しての空気が微妙に違うというところがポイントで、自家採点する場合にもその辺を考慮に入れないと、特にFirst Roundまでは取り間違えることがあったりします。ナイツなんかは典型的な「小屋ではむっちゃ面白い漫才」だと思うので、それをこういう所で「爆発的なポイント勝負」に展開しきれるかが前回も思ったところで。
続いては私も久しぶりにネタを見るような気がする南海キャンディーズ。ストーカーネタで、展開させ方によってはイケそうなネタだったんですが、どうも「すべった」という印象がありありです。ちょっと見ていて辛かったなあ、と。
ここで敗者復活の結果。拾われたのは何とNON STYLE。今のところ最も地味な地位にあるM-1勝者。仮に敗者復活上がりのサンドウィッチマンパターンになってもその先が一緒では?と思いつつ、決まったものはしゃーないということで。
続いては東京ダイナマイト。見た目の派手さにかかわらず非常にオーソドックスなスタイルの漫才。ネタの選択はちょっとマニアックで、私は個人的にはウケるんですが、ちょっと会場の空気も冷えたままで、やっぱりこれはまずかったかなあ、と。時々、面白いけど決勝でレイティングを取る場に入れるのは間違いだったんじゃ、というコンビが出るんですが、私的には(個人的感想は別にして)そう思えてしまいました。
4番手はハリセンボン。個人的には「ネタの選択ミス」。基本的なパターンはいつもと同じなんだけど、ネタのパターンが「客全体に通りにくい」ということで、会場ももう一つ暖まりきらなかった印象が。実力はわかっているんだけど、「共感を与えられない」というところはちょっと如何ともしがたいです。やっぱり、女性コンビは恋したらダメ?ということで4組目での脱落、という意外なパターンに。
そして5番手は、8年連続で決勝ラウンドには出てくる笑い飯。いつものパターンでボケツッコミが入れ替わるネタ。鳥人の出現はしかしテンションが今までに見たことないような高さ。直前に「すべった」パターンが続いて、会場の温度が下がってしまったところでの出番はトップより難しそうだったのに、これは少なくとも私がM-1で見た笑い飯としては最高の出来です。少々の無茶はさておきパワーで押し込んでしまう、というのがM-1決勝では求められる傾向であったりしますし。紳助が100点出したのもわかる気がします(自分の持ちスタイルで最高のパフォーマンスをした、という評価だったのだと思います)。問題は決勝がつらいのでは?というところではないかと。
続いては若手埼玉系のハライチ。こういうのが一発かますかも知れないのが確かにM-1の面白いところではありますが、ここで笑い飯が新たなベンチマークになってしまったのが何とも辛いところ。ネタの流し方もちょっと保守的で、個人的にはもう一つかな。「カモシカにベッド」はちょっと面白かったですが、「上手くやろうとしすぎかなあ」というのが気になります。ともかく3位で暫定残り。東京ダイナマイトはまあしゃーないでしょ、という脱落。
CM明けで出てきたのはモンスターエンジン。前回のリベンジに燃える姿は伝わってきまして、ネタもある程度印象に残るものでありましたが、「中ウケがずっと続く」というのがどうも。あと、ネタが下がってくると審査員のセンサーにかかってしまうのが辛いところ。個人的には暫定3位ぐらいでも良かったと思いますが、まあそんなもんでしょう。
ここで笑い飯が最終決戦進出決定。やっぱり「次のネタ」が難しそうですよ。
8組目はパンクブーブー。コンビ名は聞いたことがあるような気がしますが、ネタは初めて見ます。多少緊張は感じられましたが非常にオーソドックスなネタ運びでしっかりと笑いのポイントを詰め込んで、個人的に面白いかどうかはともかくとして「上手い」とは思えるものでありました。確かに中田カウスが好きそう。点数も思った通りの2番手。決勝でもうひとネタですが、こっちの方が同等のものが見られそうで、松本、紳助が言うように、「笑い飯が終わっている」ということならひょっとするかも知れません。ハライチはやっぱり残念やったねえ、ということでいよいよ1st Roundも9組目です。
で、NON STYLE。基本的なパターンは前回と同様。ウケるネタなのはわかるんだけど、個人的には後半に畳みかける成分が乏しかったような気が。しかしポイントの状況から見て残るんだろうな、と思ったら結局ナイツと7点差で3位残り。やっぱりナイツは「いつもの様子」だったんでしょうか。本人が言うように、「15分1本勝負」だったら結果は変わっていると思いますけどね。
というわけで、笑い飯、パンクブーブー、NON STYLEが最終決戦に残りました。ここまでやってたらええ加減笑い飯を何とかしたれよ、とは思いつつ、ホンマに燃え尽きてたりして。
で、最終決戦です。まずはNON STYLE。ボケにちょっと弱さが垣間見えてしまって、「これより勢いのあるのが出てきたら吹き飛ばされるかも」と思っていたら、途中持ち直してさあこれから逆転や、と思っていたら終盤のボケがさらに弱くて「これならさっきの方が面白かったやん」というのが家人共通の感想。これはキツいかなあ。
続いて、出だしから(特にツッコミの黒瀬の)緊張が隠せないパンクブーブー。ネタとしてはとても良く練れたもので、個人的に面白いかどうかはともかくとしてその点は悪くないと思うし、玄人にはきちんと評価されるものだとは思うのですが、ちょっとこの舞台の状況のせいか、僅かなズレが本当の爆発力の妨げになってしまったのでは。こういう舞台は難しいですね。
そして4年ぶりに最終決戦の笑い飯。やっぱり1本目の方が面白かったですね。そして何故途中でパターンを替える?しかも最後がなんでソレやねん、と思いつつ、多分願望的には笑い飯やったんやろうがこれはえらいことになったな、というのが個人的な印象。とは言いつつ、今回の最終決戦の出来では、どこも飛び抜けた感じがしない、と思ってしまいます。
そして結果は、
満場一致でパンクブーブーですか...
わかるんです。さすがに1本目と比べて明らかに「ちんぽじ」で自滅した笑い飯、そして1本目と同様後半に失速してしまったNON STYLEと比べて、審査員としてはネタのしっかりしたパンクブーブーを取(らざるを得なか)ったということで、その点は理解できます。しかし、今回の結果はやはり「消去法」という印象が凄く濃いんですけどね。
毎回、M-1には「曲がり角」説が出て、そのたびにネタと出演者のパワーの効果で「いやいややっぱりそんなことはないで」という思いをするパターンが続いていました。しかし今回、画面で見る立場としての「微妙な距離」を感じてしまったのもまた正直な感想でして、うーむ、難しいですね。
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